FOOD & FERMENTATION
食と発酵
作り方の前に、なぜその大豆を、その塩を選ぶのか
材料を知ること、菌と対話するように観察してみる
すべての出発点
01 / 糀
米に菌をつけて、あたためて待つ。
TANEの糀づくりは、電気を使わない。
あとは糀自身が、自力で温まる。
季節、気温、香り、湿度、音、その時の状況で糀と対話しながらその成長を見守り育てる。
一日だけ、
手を動かす
02 / 仕込む
大豆を煮て、つぶして、糀と塩を混ぜる。家族で作る。
未来の自分たちに思いを馳せながら。
手で仕込む。自分の手にいる菌(常在菌)も入る。
やってみて分かったのは、
味噌は思っていたよりずっと簡単だ、ということだった。
仕込んだ味噌は、
白かった
03 / 白い
売り場で見慣れた色とは、ずいぶん違う。
この白いものが、時間をかけて色づいていく。時間が進むほどに濃く、味わいも香りも変わっていく。
それを、私は待っていればいい。
あとは、待つ
04 / 待つ
春が来て、夏を越えて、秋になる。その間、味噌は勝手に育っている。
一年味噌がおいしくて、次の年も仕込んだ。その次も。
毎年続けていくと、二年ものができる。三年ものができる。
作れたのだ
そして繋げる
05 / 食べる
自分が仕込んだ味噌で、味噌汁をつくって、飲んだ。
すごくおいしい。本当においしいのだ。
でも、おいしいだけではなかった。
作れたのだ、という実感が、じわりと広がっていく。
そして子供たちにその経験と知恵は受け継がれる。
味噌は自分たちで作れるという記憶と共に。
未来の自分への、
贈りもの
一日だけ手を動かして、あとは待つ。
それだけで、次の冬には自分の味噌がある。
それを続けると、いつも自分のうちには味噌がある。
何年ものを使うかは、料理や季節や体調で選ぶ。
保存もきく一品が、いつも家にある。
味噌は体を温めると、昔から言われてきた。
未来の自分への投資、贈り物を作ってみませんか?
仕込んでしまえば、あとは待つだけで、一年後には食べられる。
難しいのは作ることではなく、どの大豆を、どの糀を、どの塩を選ぶかのほう。 ここには正解が無い。
だからTANEは、答えではなく、
選ぶときに何を見ればいいかを渡している。
01 / 作っているもの
仕込む、時間が作る
糀
すべての出発点。
米に菌をつけて、あたためて待つ。
あとは糀自身が自力で温まる
味噌
大豆と糀と塩。
仕込んだあと、私がすることは何もない。あるとすればたまに声をかける、様子を見る、カビが出ていないか確かめる。
サワードウ
粉と水と、空気の中にいる菌だけで膨らむ。
仕込んでおけば自宅で焼きたてのパンが食べられる。
漬けもの
塩と時間で、保つ。
冷蔵庫が無かったころの技術。
塩や砂糖で漬けたり、菌の力を借りたり。
いろいろな漬物がある。
保存食
季節のものを、季節じゃない日に食べるための方法。保存食。
02 / 選ぶ軸
「なぜこの大豆、
この糀、この塩を選ぶのか」
ワークショップで、いちばん時間を使うのがここだ。
作り方そのものは、覚えてしまえば十分もかからない。
けれど、材料をどう選ぶかは、毎回ちがう。
その年の大豆、手に入る糀、住んでいる場所で買える塩。
条件が変われば、選び方も変わる。
だから、答えではなく見方を渡す。
裏を見る何が入っているのか。
読めない名前があれば、それが何なのかを一度調べてみる
- 並べてみる同じ棚の三つを比べる。どこが違うのか、値段は何の差なのか
- 作り方をたどるどうやって作られたのか。時間をかけたものと、早く作れるものがある
自分の条件に合わせる手に入るもの、続けられる値段、家族の好み。
ここは人によって違う
03 / 昔から、こうしてきた
新しい方法では、ない
味噌も、漬けものも、干すことも、冷蔵庫が無かったころから続いてきた。 保つための技術として始まって、そのうちに味のためにも使われるようになった。
発酵食は体にいいと言われてきた。
消化を助けるという説もある。
発酵食が全ての人にいいわけではない。
合わない人もいる。
土地が変われば、合わなくなることもあると言われてきた。
ただ、どこまで確かめられているかは、また別の話だ。
科学で分かっていること
まだ研究の途中のこと
昔からそう言われてきたこと
自分がそう感じたこと
──
この四つは、混ぜないでおきたい。
TANEが渡すのは「効くから作りなさい」ではない。
そういう作り方が、ずっとあったという事実のほうだ。
04 / 今日、ひとつだけやるなら
冷蔵庫の味噌の、裏を見てみる
それだけでいい。
何が入っているか、
どこで作られたか、
どれくらい時間がかかったか。
書いてあることと、書いていないことがある。
見てみて、そのままでいいと思えば、それでいい。
変えることが目的ではない。
自分で見て、自分で決められることが目的だ。