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CLOTHING

衣服の認証、何を見ればいい?

リネンのワンピースの札。30℃の洗濯の記号

GOTSは、作る途中を見る。
OEKO-TEXは、できた服に残っているものを測る。
RWSは、羊を見る。

服の札に、丸いマークや文字の印が付いていることがある。
どれも「誰かが見た」という印。でも、何を見たかは、印ごとにまるで違う。

日本の法律で、服の札に必ず書くことは二つ。何の糸でできているか(繊維の組成)と、洗い方の記号。体に悪い物質の決まりは、別の法律にある。→ 法律が見ているもの、見ていないもの
認証は、法律とは別に、作る側が「受けたい」と思って受けるもの。無い服が悪いわけではない。

四つの印 ── 何を見て、何を見ないか

印何を見る / 何を見ない
GOTS作る途中を見る。オーガニックの綿や毛が全体の70%以上(「オーガニック」と名乗るなら95%以上)。使っていい薬の決まり。工場から出る水をきれいにしているか。働く人がきちんと扱われているか。糸にする会社から縫う会社まで、関わる会社ぜんぶが検査を受ける。検査は毎年、人が工場まで見に来る※1※2
見ないもの:薬を「ぜんぶ使わない」のではない。使っていいと決めた染料や薬は使う
OEKO-TEXできあがった服に残っているものを測る(STANDARD 100 という決まり)。糸もボタンもひもも、体に悪いとされる1,000以上の物質の一覧と照らし合わせる。肌に近いものほど厳しく、4つの級がある。3歳までの子どものものが、いちばん厳しい。証明書は1年で切れる※3
見ないもの:どう作ったか(工場の中・工場から出る水)は、この印では分からない。塩素で縮まないようにしたウールでも、残っている量が決めた数より少なければ通る
bluesign工場に入れる前の薬を見る。「出ていくものを調べるより先に、入れるものを決める」という考え方。工場で使う水、出す水、出す空気、働く人の安全を、人が工場まで見に行く※5
見ないもの:服を一枚ずつ測る印ではない。着る人より、工場のしくみを見る印
印の名前は、2026年から bluepass。中身は同じ※12
RWS羊を見る。羊がつらい思いをしていないか(ミュールジングという、おしりまわりの皮膚を切り取る処置をしていないことを含む)。羊が草を食べる土地を大事にしているか。どの農場の毛か、たどれるか※8
見ないもの:毛を布にするときの薬。縮まないようにする薬(樹脂)が付いていても RWS は付く → ウールが縮まない理由

同じ「認証」でも、
見ているものが違う。

札には、こう書いてある

印は、こういう形。見本として置く。
絵は、それぞれの団体が公式サイトに公開しているもの。※14TANE は、どの団体とも関係がない。印を付ける側でも、検査する側でもない。
印のとなりには、必ず書いてある字がある。それを札の形で並べる。字を覚えておけば、印は札の上で見つかる。
くわしくは、それぞれの団体のページへ。知って、選ぶために。

GOTS

GOTS の印(見本)

Organic

または Made with 70% organic materials

Certified by ◯◯

12345

上から、等級・認証した機関(検査をした所)・番号。この三つがそろって、GOTS の札。
「Organic」はオーガニックの糸が95%以上、「Made with …」は70%以上。※9
番号を GOTS の公開データベース に入れると、検査を受けた会社の名前が出る。会社の名前が出ても、その服一枚の証明にはならない。証明は、札のほう。※10

OEKO-TEX STANDARD 100

OEKO-TEX STANDARD 100 の札(見本)

Tested for harmful substances.

www.oeko-tex.com/standard100

00000000 Institute

「体に悪い物質を検査した」という一文と、番号と、検査した機関の名前。番号か QR コードは、必ず付く。※11
番号を Label Check に入れると、本物の札かどうかが分かる(大文字と小文字は別の字として扱われる)。

bluepass(bluesign の印)

bluepass の印(見本)

bluepass Consumer Product

To help reduce adverse impact on people and the planet, this product was made with materials produced through processes that meet bluesign Criteria …

Certified by ◯◯ + QR コード

印と、決まった一文と、QR コード。番号は札に無く、QR の先(bluesign.com/verify)で確かめる。※12
2026年から、印の名前は bluesign から bluepass に変わった。中身は同じ認証。古い札には「bluesign PRODUCT」「bluesign APPROVED」と書いてある。

RWS

RWS の印(見本)

100% RWS Wool

Certified by ABC Cert

12345678

印と、「RWS の羊毛が何%か」の一文、認証した機関、番号。※13
印は、検査をした機関からしか渡されない。会社の名前は Textile Exchange の一覧 で引ける。

札に印があっても、字が無ければ、それは印の形をまねただけかもしれない。
字がそろっているか。それが、見極めの一つ目。

GOTS ── 作る途中を見る印

GOTS(Global Organic Textile Standard)は、オーガニックの綿や麻や毛が、畑を出てから服になるまでの道を見る。
決まりには、こうある。「糸にする所から、染めなど水を使う工程、縫う所、売り買いまで、ぜんぶの段」。※2
途中に一社でも検査を受けていない会社が入ると、GOTS とは名乗れない。

決まりは、数年ごとに新しくなる。いまの 7.0 は2024年3月から。次の 8.0 は2027年3月から全部に。※7
7.0 に変わったときの記録には、PFAS(水をはじく加工に使うフッ素の仲間)をまとめて禁止したこと、がんの原因になるおそれがあるとされる成分(アミン)が出る染料を禁止したことが書いてある。※6

くわしくは → GOTS が「見ないもの」

GOTS は「薬をまったく使わない」印ではない。使っていい薬の一覧があって、その中から選ぶ。
だから GOTS の服にも、染料は入っているし、やわらかくする加工もありうる。

見ているのは「何を使ったか」「使った水をどこへ流したか」「誰が作ったか」。服を一枚ずつ測る印ではない。

OEKO-TEX ── できた服を測る印

OEKO-TEX STANDARD 100 は、できあがった糸や布や服を測る。
決まりには、こうある。「糸も、ボタンも、ひもなどの付属品も、1,000以上の体に悪いとされる物質の一覧と照らし合わせて検査した」。※3

級何に
I3歳までの子どものもの(おむつなど)。いちばん厳しい※3
II肌に直接触れるもの(下着・シャツ・シーツ)
III肌に直接触れないもの(上着)
IVカーテンなど家のもの

「ここまでなら通る」という数は、毎年見直される。2026年は6月1日から新しい数になり、ホルムアルデヒド(日本の法律でも量が決められている物質)の数も変わる。ヨーロッパ(EU)の決まりに合わせる方向。※4数そのものは、公式の表で。

この印が言っているのは「測ったら、決めた数より少なかった」。「どう作ったか」は言っていない。両方知りたいなら、GOTS と OEKO-TEX は別のことを言っている印、と読む。

日本の札との関係

何決めているもの
法律(必ず)家庭用品品質表示法=何の糸か(繊維の組成)と、洗い方の記号。家庭用品規制法=ホルムアルデヒドや、一部の染料の成分(特定芳香族アミン)などの、量の決まり。→ 法律が見ているもの
認証(自由)GOTS・OEKO-TEX・bluesign(印は bluepass)・RWS。作る側がお金と手間をかけて受ける。印が無い服は「誰も見ていない」のではなく「印を付けていない」だけのこともある
売り文句(自由)「オーガニック」「天然」「やさしい」。認証の印が無ければ、確かめた人はいない。言葉だけでは分からない

TANEの読み

認証は「見た人がいる」という印。それ以上でも、それ以下でもない。
印が無いからといって、悪い服とは限らない。小さな作り手は、認証を受ける手間とお金を、糸や手仕事のほうにかけていることがある。

だから、印を読むときは二つだけ。
その印は、何を見たのか。作る途中か、残っているものか、羊か。
自分が知りたいのは、どれか。

やってみる

手持ちの服の札から、印を探す。GOTS、OEKO-TEX、bluepass(古い札は bluesign)、RWS。
印のとなりの字は → 札には、こう書いてある。
見つかったら、その印が「何を見た印か」を、上の表で一つ確かめる。

見つからなくてもいい。そのときは、札の繊維と加工の言葉を読む。→ 札に書いてあること、書いていないこと

印は、答えではなく、
「誰が、何を見たか」の記録。

次の問い

では、印のない服は、何で選ぶ?
→ 1,000円のTシャツ、値札の向こう

→ 衣服を知る(衣の章のはじめへ。素材 → 加工 → 肌 → 水と土 → 選ぶ・洗う)

まだ、確かめられていないこと(6)
  • GOTS の規格本文(禁止する薬剤の一覧・塩素漂白の扱い)。公式ページは項目名まで。改定の記録は要約から引いた
  • OEKO-TEX STANDARD 100 の2026年6月からの数値(ホルムアルデヒドの級ごとの値)。公式の表を開いていない
  • RWS の規格本文(羊の福祉の決まり)。公式の規格は開けず、2019年のクイックガイドと認証機関のまとめから。札の決まりは公式の TE-302 を開いた
  • OEKO-TEX の Label Check に番号を入れると何が返るか(本物かどうか、の先)。実際に番号を入れて確かめていない
  • 印の絵を見本として置くことを、団体に知らせていない。GOTS は教育の目的なら使えると決まりに書いてあり、OEKO-TEX は報道にも申し込みで許すことがある(個別に審査)。外してと言われたら外す
  • bluesign の監査の頻度と、誰が行うか

分かったら、ここに足していく。

出どころ(14)
  1. ※1 Global Standard「GOTS Key Features」(70%/95%・全工程の認証・化学薬剤の制限・排水・社会的基準) 見る(2026-10-30 確認)
  2. ※2 Global Standard「GOTS」(繊維の加工から取引まで・毎年の現地監査) 見る(2026-10-30 確認)
  3. ※3 OEKO-TEX「STANDARD 100」(1,000以上の有害物質・4つの級・級 I がいちばん厳しい・証明書は1年) 見る(2026-10-30 確認)
  4. ※4 Hohenstein「OEKO-TEX New Regulations 2026」(2026年6月1日から・ホルムアルデヒドの基準の調整) 見る(2026-10-30 確認)
  5. ※5 bluesign「Water at Mills: What Goes In Decides What Comes Out」2026-08-26(入れる前に決める=input stream management・現地での評価) 見る(2026-10-30 確認・bluesign 自身の文)
  6. ※6 Global Standard「Change Log GOTS 6.0 to GOTS 7.0」(PFAS を一群として禁止・発がん性アリルアミンを出す染料・顔料の禁止) 見る(2026-10-30・PDF の要約から。本文は要確認)
  7. ※7 Just Style「GOTS due diligence updated version」(GOTS 8.0 は2027年3月1日から全面施行) 見る(2026-10-30 確認・記事の要約から)
  8. ※8 Textile Exchange「RWS Quick Guide」2019(羊の福祉・ミュールジングの禁止・土地の管理・追跡) 見る(2026-10-30・公式ページは開けず。認証機関のまとめと合わせて)
  9. ※9 Global Standard「Conditions for the Use of Signs – GOTS」Version 4.0(2026-01-19 公開・2026-08-01 施行。札=等級・認証機関・認証番号の順(§2.2)。「Organic」95%以上・「Made with (x%) organic materials」70%以上(§4.4)。大学・NGO・報道は教育目的・非商業に限り印を使える(§5.4.6)) 見る(2026-11-03 確認・PDF 本文)
  10. ※10 Global Standard「Q&A」(認証番号か名前で公開データベースを引ける。会社が出ても、製品ぜんぶの証明にはならない。証明は正しい札) 見る(2026-11-03 確認)
  11. ※11 OEKO-TEX「Labelling Guide ─ STANDARD 100 Label Design Guide」(必ず=製品ブランドのロゴ+検査機関+証明書番号か QR) 見る/「Logo Usage」(傘のロゴは検査機関・報道・協力団体。個別に審査) 見る/「Label Check」(番号は大文字小文字を区別) 見る/「Factsheet STANDARD 100」(札の字=Tested for harmful substances. www.oeko-tex.com/standard100 00000000 Institute) 見る(2026-11-03 確認)
  12. ※12 bluesign「bluepass Labels & Claims Guide」Version 4.0(2026-07。bluepass は bluesign PRODUCT・APPROVED に替わる認証の印。2026年に欧州で登録。札=印+決まった文+QR+Certified by。番号は札に無い。製品の一覧は bluesignguide.com) 見る(2026-11-03 確認・PDF 本文)
  13. ※13 Textile Exchange「TE-302 Standards Logo Use Specifications」V1.3(2023-06-01。印は認証機関だけに配る・無断の表示は禁止・札の例「100% RWS Wool / Certified by ABC Cert / 12345678」) 見る/「TE-301 Standards Claims Policy」V1.3(報道・学術の言及は方針の範囲外) 見る/「Find a Certified Company」 見る(2026-11-03 確認・PDF は本文。一覧のページは開けず、検索の要約から)
  14. ※14 印の絵の出どころ(団体の公式サイトに公開されている画像を、そのまま小さくした)── GOTS の印 global-standards.org/OEKO-TEX STANDARD 100 の札 Label Check のページの写真から札の部分だけ/bluepass の印 bluesign.com(Consumer Product の印)/RWS の印 TE-302(印の使い方の文書)の12ページから。四つとも登録された商標。ここでは「何の印か」を示す見本として置き、TANE が認証を受けている・団体と関係があるとは読めないようにしてある(2026-11-04 確認)